「聞く」という行為は極めて難しく、実はとても能動的な行為であると思う。「人の話を聞ける人」はその場で素敵な存在になるはずなのに、そういう人は稀有だ。世の中、ほとんどが「話す人」「話す人」「話す人」。「聞いていても、次には自分が話すことで頭が一杯な人」。年に何人か「この人話を聞くのがうまいなぁ」と思う人に遭遇する。その時間はとても貴重だ。

自らを「聞く」のが得意という人たちにも会うが、たいてい怪しい。

私は「聞く」のが得意ではないが好きである。その人が言いたいこと、言いたくても言えないこと、言わないでいること、言おうとしているのだけれど違ったことが伝わっていること。色々なことが共有できるから。ああ、こんなところにこんなものがあったのかと。

得意じゃないけど好きなことは、唯一これくらい。だから仕事として続くのかもしれませんね。まだまだ修行は続くのであります。(笑)