「聞く」という行為は極めて難しく、実はとても能動的な行為であると思う。「人の話を聞ける人」はその場で素敵な存在になるはずなのに、そういう人は稀有だ。世の中、ほとんどが「話す人」「話す人」「話す人」。「聞いていても、次には自分が話すことで頭が一杯な人」。年に何人か「この人話を聞くのがうまいなぁ」と思う人に遭遇する。その時間はとても貴重だ。

自らを「聞く」のが得意という人たちにも会うが、たいてい怪しい。

私は「聞く」のが得意ではないが好きである。その人が言いたいこと、言いたくても言えないこと、言わないでいること、言おうとしているのだけれど違ったことが伝わっていること。色々なことが共有できるから。ああ、こんなところにこんなものがあったのかと。

得意じゃないけど好きなことは、唯一これくらい。だから仕事として続くのかもしれませんね。まだまだ修行は続くのであります。(笑)

みなさま。今年もお世話になりました。私事ながら・・今年、定年を機に小さな会社を創りました。仕事のターゲット層を変えたことで、新しい魅力的な経営者にもたくさん巡り合えました。もっとこうしたらいいのではないかと思っていたことも仕事に取り入れることも出来ました。手を伸ばしてみると支援してくださる方々もたくさんいることに気がつきました。

創業当初、自分のブランディングを考えているとき「あなたがブランドではないですか」と言ってくださる方々もいらっしゃいました。ご配慮に感謝しつつも・・・。そんなことは全くないのです。今までは会社に乗っかってやってきただけ。これから学ばなければならないことが山ほどあります。

年末にレコード大賞の番組でピンクレディを観ました。60歳だそうです。あんなに高い上げ底の靴を履いて、フルに3曲歌い踊った。よく踊れるなと感心しました。2人のか細い腕には筋肉が出来ていました。鍛えているのですね。何事もなかったようにこれまでの継続をするのさえ、鍛錬がいるのでしょう。芸能人や何かのプロだけではなく、我々にも言えることではないかと思います。
ライフシフトの今、シニアは自分の行く先の心配だけでなく、若者にどんな影響を与えたいかを考える。自らの新しく楽しい活躍の姿を見せて、若手に未来への希望を持たせる役割があるのではないかと思います。

ということで、私はあと10年働きます。引き続きみなさま、仲良くしてくださいね。
2018年もいい年になりますよう。どうぞよろしくお願いいたします。

先日、小学校の同窓会があった。当時は一クラス60人5クラスの学年だった。
先生たちの挨拶はとても素晴らしかった。当時の校長先生が、この学校をもっと引き上げたくて音楽の先生をスカウトしに行ったことや、新人の先生にテーマを与えて教師として育てようとしていたこと、今日はあの子はどうしていただろうと皆でいつも思っていたこと 今まで聞く機会のなかった色々なことを聞けた。先生たちの話は、自分のことを話しているようで、聞き手ために話しているようでもあり、過去のことを話しているようで今の自分を話しているようでもあった。一気にみんなを巻き込んだ。すごいな・・・。私は人前で話す仕事もしているけれど、先生たちと同じように90歳近くなった時に、あんなに豊かに人を引き付けるように話せない、たぶん・・・。

信念もって生きなきゃなと・・。大事なことを教わって帰ってきた。

企業の中の人を見る能力要件「dimension」には30-40くらいの項目がある。決断力とか判断力とかそういうものである。その中で、対面影響力(インパクト)という項目がある。言葉の雰囲気からすると、相手を動かすような圧倒的なパワーのような感覚があるが少し違う。いわゆる「~らしさ」である。仕事における「~らしさ」はその人が職務にコミットしてきた足跡でもある。「銀行員らしさ」といったら、ミスがなく、きちんとしていて、信頼感があるということを意味するだろう。ところが「いかにも銀行員」といったら、融通の利かない規則優先のようなことを意味するのであろう。それは対面影響力とは似て非なるものである。

私はひとの「~らしさ」に触れるのが好きだ。職種だけではない、「~社らしさ」「技術屋らしさ」「~大学らしさ」。組織のカルチャーを変えるのは違う血や考えが必要であるが、「~らしさ」を持ってきた人がその組織を変えていこうとする時、かなりエッジの利いたことになる。知っていて、そこに手を突っ込むわけだから。

知り合いの教授が学長選に出ると風の便りに聞いた。彼はそこの「らしさ」の人である。なってほしいなと思う。「~らしさ」の人の改革は新しい未来への一歩を確実に踏み出す、と信じている。

「戦うぞ」とよく言う人がいる。何でいつもいちいち言うのだろう、黙ってやればいいじゃないかと、へそ曲がりの私は思うのである。
「たたかう」は「戦う」と「闘う」。
「戦う」は誰かと何かの決着をつけることらしい。 優劣を争う。敵と戦う。競合と戦う。
「闘う」は相対する2つものが限定的にたたかう。困難と闘う 自然と闘う 自分と闘う
ふむふむ。
闘う人は「わたくし、たたかっております」とはあまり言わないように見える。
何かを乗り越えるために静かに挑むのである。

だまって行って帰ってくる。
「闘う人」にあこがれます。